クリード [映画評価]

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MOVIE評価(70点)

出演:マイケル・B・ジョーダン、シルヴェスター・スタローン、テッサ・トンプソン、グレアム・マクタビッシュ、ウッド・ハリス、フィリシア・ラシャド
監督:ライアン・クーグラー
本編:133分
2015年(アメリカ)

【『ロッキー』シリーズ第7章】

 既に打ち止めと思われていた『ロッキー』シリーズまさかの新章突入作。主演は『ファンタスティック・フォー』のマイケル・B・ジョーダン。

 『ロッキー』シリーズは以下のように変遷してきた。

 『ロッキー』(1976)
 『ロッキー2』(1979)
 『ロッキー3』(1982)
 『ロッキー4/炎の友情』(1985)
 『ロッキー5/最後のドラマ』(1990)
 『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)

 「最後のドラマ」や「ファイナル」という題名を付けても結局終わらないところは、いかにも商業主義的と言うか、都合が良いと言うか…。まあ、面白い映画を作ってくれるなら別に構わないんですけどね(笑)。

 さて、『ロッキー』シリーズ7作目となる本作だが、世間の評判はめっぽう高い。これだけ評価が高い映画なら結構期待できるかなと思い、『ロッキー』シリーズ初の映画館鑑賞に臨んできた。

 で、気になる結果の方はどうだったのかと言うと、「期待した以上の映画ではなかった」というのが正直なところだった。後半のボクシングシーンは確かによくできており、テレビで観る生のボクシング試合よりも迫力があったのだが、どうしても『ロッキー』と比べてしまう。
 『ロッキー』の魅力は、無骨で不器用な男の純粋でひたむきな愛が奇跡を生むというサクセスストーリーであり、そんな主人公であるからこそ、多くの人が感情移入し、涙を流して万雷の拍手を贈ったのであって、あの役柄はスタローンであればこそ演じられた特別な映画だった。
 そんな伝説的な映画の新章となると、誰が演じたとしても、もの凄いプレッシャーにさらされることになる。今回、主役を演じたマイケル・B・ジョーダンは良い演技をしていたとはいえ、なぜか感情移入することができず、ボクシングドラマに必要不可欠なハングリー精神というものがあまり伝わってこなかった。

 本作が『ロッキー』のように『クリード2』、『クリード3』、『クリード4』と続いていくかというと、ちと厳しいかな…というのが正直なところだった。これまで終わりそうで終わらなかった『ロッキー』シリーズだが、皮肉にも新章が本当のラストになる可能性は否定できないと思う。

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