この世界の片隅に [DVD評価]

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MOVIE評価(40点)

声の出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔
監督:片渕須直
本編:129分
2016年(日本)

【美しいアニメには「棘」があった】

 こうの史代の同名漫画『この世界の片隅に』をアニメ映画化。

 『君の名は。』と並び、同じく日本の美しい情景を描いたこともあって、口コミで大ヒットしたアニメ。ヤフー映画掲示板を覗いてみると異常なまでの高評価で、絶賛しているレビュアーも多い。ここまで評価が高いアニメだと観ないわけにはいかないと思い、レンタルしてみた。

 『君の名は。』は噂通りの良くできた映画だったが、本作は、残念ながら、そこまで絶賛する映画とも思えなかった。あれだけ高い評価だと、どこかで泣けるシーンもあるかと思っていたのだが、全く泣ける演出がなかった。悲しみや悔しさだけでは泣けない。涙というものは、大抵、感動した時に出るものなので、悲しみを乗り越えて羽ばたくようなシーンがない限り、泣けない。

 戦前や戦争当時の広島の風景はよく描けているとは思えたものの、あまりにも淡々とし過ぎていて感情移入できない。のんの吹替えは良かったと思うが、どんな苦しみも受け入れる「おしん」のようなタイプの女性で、これがかつての日本の女性像というのも少し違う気がした。

 それと、最も鼻に付いたのが、終戦時のシーンで、なぜか一瞬、「太極旗」が出てきて目が点になった。おいおい、これって、そういう映画だったのか?…と。このシーンだけで評価が20点ほど下がってしまった(笑)。
 日本の良さを気分よく観ていた観客は、このシーンで全く逆の映画を観たような気分になる。

 この映画をジャパニメーションとして観た多くの外国人は、なぜ日本の映画に「日の丸」ではなく「太極旗」が出てくるのか?と不思議に思うかもしれない。なぜ、こんなシーンを入れなければいけないのか疑問に感じた。

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